ひょっとこになりそこねた男

 ハント症候群という病気(?)で、顔の半分が機能していない。
 顔の筋肉、舌の味覚なんかは、頭蓋骨の両側にある小さな穴から出てきた神経が繋がってつかさどっているせいで、何らかの原因でそこに炎症が発生して伝達が途絶えると、こうなるらしい。
 神経が働かないって、なかなか不思議な感じで、水を飲むときにも唇が閉じているかどうかの感覚がない上に、唇を閉じる筋肉への伝達もとまっているので、志村けんのコントにでてくる酔っ払いみたく、飲んだそばからだーっと水がこぼれてしまう。
 この状態が長く続くと、顔面神経全体が壊死してしまい半分の制御が一生閉ざされてしまう上に、正常な反対側の筋肉の圧力で顔がだんだんゆがんでしまうそうで、ようするにひょっとこってのは医療技術の発達してなかった時代にこの症状になった男の末路だそうで。
 笑えるんだか笑えないんだか。
 いまはだいぶ感覚なんかも戻ってきてるんだけど、なった当初は麻痺した側の三半規管や眼筋もおかしかったのかめまいがして、EQどころじゃなかった。
 若干の視力差やなんかがのこっちゃってるせいかまだ3D酔いする可能性が高いので自粛してるんだけど、半年休止して戻って一週間くらいなのに三日popしないだけでうずうずする禁断症状コマル。
 しかもニ連続で失敗にたちあったRatheの怒涛の大成敗に立ち会えなかったようで、結構悔しかったりする。