朝:母

 ぱひょん! と飛び出す式のトースターが嫌いな博子さん(母)、やれ「かりかりになっちゃってしっとり焼けない」だのナンだの理由をつけますが、好みのパンの焼き具合は「こんがり」だそうで
 凡俗な愚息には、かりかりとこんがりの差がよくわからんのですが、彼女にとっては譲れない線のやうです
 で、朝もはよから部屋のドアをどげどげ叩く博子さん(手の甲のほうの骨ばったとこで軽くコンコンするノックができない「痛いからいや」だそうです)あたかも「あかちゃんがすごい熱なの、せんせいあけてえ!」とシャッターを叩く母親のそれのような勢いの音がします
 ドアを開けるとご機嫌斜めの口調で、いきなり「だからあのトースターきらいなのよ!」と、怒られてしまい、事情をきくと、パンを焼きたいのに、いっかな飛び出してこず、レバー何度も押し下げてたら煙が出てきたとのこと
 台所に向かうとトースターの脇には背の高いイギリスパンタイプ、いきなり嫌な予感がします
 ためいきをつきながらトースターを覗くと、そこには縦長のパンが横にされたうえに、無理やり奥のほうに押し込まれたまま中で炭になっていました・・・_| ̄|○
 ふと生前の父親の「アイツはいつだって"わざとやってるのか!"と思うようなことばかりする」というセリフを思い出しましたよ